1996.09.30
コンテンポラリージャパン
「おりじん」ザ・マンハッタン
哀-1

店とは無関係なことかもしれないが、なぜ、プリファードがこのホテルの加盟を許したのか、どうしても理解できない。プリファードは、世界中の超高級ホテルばかりで構成されたホテルコンソーシアムだが、加盟の条件が厳しいことでも名高く、加盟を許されるには厳重なる審査をクリアしなければならない。

そりゃ、このホテルも建物こそは立派だが、ロンドンのレーンズバラやニューヨークのロウウェル、ロサンジェルスのベルエアと肩を並べるに値するサービスは提供していない。このホテルがプリファードに加盟したと知った時は、例えばマクドナルドがグランメゾン並みの高級な構えをした店を開いたことでミシュランの星を取ったかのような驚きがあった。だいたい、外国人の宿泊客はどこを探しても見当たらない。国際水準のホテルとは言いがたいと思う。

さて、このホテルの日本料理レストランは「おりじん」といって、日本料理店としては風変わりでモダンなインテリアが施されているが、料理の方はなかなかおいしいものが食べられる。ただし、夜は値段が高いのでオススメは昼だ。天井が高く、また、テーブルの間隔を広く取っているので、とてもゆったりとした時間を過ごすことができる。

サービス人は和服ではなく、なんと蝶タイをつけたおばさんたちで、まるでカジノのディーラーのようで気の毒だ。和服を着せればさぞかし似合うだろうにかわいそう。サービスは快適で安心。この日は3,800円で、月見豆腐、萩しんじょうの吸い物、平目のお造り、百合根まんじゅうの煮物、鰆の焼き物、茶碗蒸し、しめじ御飯と味噌椀、甘味という構成。いい味だった。

Y.K.