1996.09.25
琉球の風
ホテル日航アリビラ Deluxe Room
楽-4JTBのパッケージツアーを利用して沖縄へ出掛けた。ツアーを利用するのは、93年の沖縄旅行以来だが、特に沖縄へ行くには、ツアーの方が割安がある。今回はホテル日航アリビラにステイする4日間のコースを選んだ。往復の航空機とホテルの他、沖縄滞在中のレンタカーがセットになっている。
ホテル日航アリビラは那覇市内から車でおよそ1時間の読谷村にあり、NHK大河ドラマ「琉球の風」の撮影が行われたスタジオパークなどを含めた大型リゾート開発地の中核に位置している。もう少し車を先に進めれば残波岬に至る場所で、美しい海岸線と広大なサトウキビ畑に囲まれた、静かな環境のリゾートホテルだ。
恩納村以北のリゾートホテルに比べて渋滞の影響を受けずに来れることと、主要道路から外れているので交通の騒音とは無縁である点も、ゆったりと過ごすにあたってはありがたいことだ。ホテルまでの路順が多少入り組んでいるのでわかりにくいかもしれないが、案内板が随所にあるので、それを頼りに進めば間違えずに到着できると思う。
ロビーに一歩足を踏み入れれば、このホテルがこれまでの沖縄にあるリゾートホテルの系統とは違ったコンセプトでデザインされていることがすぐに伝わってくる。大きなアトリウムや明るく開放的な雰囲気のロビーとは異なり、照明を抑えたコロニアル調の落ち着いたデザインで、ホテル全体のスケールを考えると小ぢんまりしていると言えるだろう。
客室棟は複雑なウイング構成で、全室オーシャンビューだが、客室の位置で海の見え方や眺望の雰囲気が、随分と異なるようだ。客室は43平米のデラックスツインが主体で、その他に各種スイートがあるが、ダブルルームはない。デラックスツインは、全室ラックレートは同じでも、高層階やオーシャンフロントなど条件の良い客室もあれば、離れたウイングの低層階など、あまり条件がよいとはいえない客室もあるが、ツアーのグレードによってアサインされる部屋が違ってくるようだ。
今回は、中央のパティオやプールを見下ろす高層階の部屋がアサインされた。もちろん海も良く見えるし、夜には眼下のライトアップされたプールサイドがリゾート気分を盛り上げてくれる。客室はロビーの落ち着いた色調とは異なり、ビビッドな色使いをしている。カリビアンブルーのベッドスプレッドや黄色のソファがとても華やかな印象を与えているのに対し、深い色の籐椅子やテーブルが落ち着きを醸し出している。
バスルームは洗い場付きの広い設計で、洗面台とトイレはそれぞれ独立して設けられている。写真で見るよりも全体にチープな感じは否めないが、良く考えられた客室で、数日滞在する場合でも窮屈な気分にならずに済む。ただ、ベッドに用意された枕は小さく品質の悪いものひとつだけで、シーツの質もあまりよくないので、残念ながら寝心地はいまひとつだった。
滞在中、ほとんどのレストラン・バーを利用したが、これといって印象に残る店や料理はなかった。リゾートホテルのレストランとして可もなく不可もないといったところ。ただ、夕食はほとんどの店が5千円からと価格設定が高いので長期の滞在者には割高感があるかもしれない。ずっとホテル内で過ごすことを考えれば、3千円程度から用意してもらいたいと思った。
レストランにくらべ、ラウンジとバーはゆったりとした雰囲気で、とてもくつろいで過ごすことができた。プールの滝裏にあるグロットバーは、会話に困るくらい水飛沫の音が大きいが、リゾートの雰囲気を十分に味わうことのできるオススメスポットだ。屋内にスパが用意されているが、健康ランドのようなイメージなので、中に入ってしまうと沖縄にいるというより、草津あたりにでも来ているような気分になってしまいそうだ。
また、売店での買い物に部屋付けがきかないこと、売店の前にダンボール箱やカートがそのまま置き去りされていて、美観を損ねていることが気になった。
Y.K.