1996.08.17
身内用スマイル
ウェスティンホテル東京 Executive Club Room
哀-2高級ホテルを銘打っていながら、実は低級なホテルというのが存在する。このホテルも残念ながらひとつだ。まずここでは、笑顔は従業員同士のおしゃべりに彩りを添えるためだけに存在するらしい。チェックインをしようとフロントに近づくと、従業員同士楽しそうに話していたのを中断させたことを咎められるが如く、不愉快そうな顔を向けられた。エントランス付近にたむろするベルマンのほとんどは片足に体重をかけてだらしなく立っている。
客室でも気になることが幾つもあった。せっかく高級感を醸し出している家具には埃が積もっていて、指で落書きができるほど。タオルは使用限度を越えたもので、黒っぽくなっていて、縮んでいる。このホテルは環境保護に力を注いでいるとかで、タオルの繰り返し利用を呼びかけたり、ゴミを減らす工夫をしていることをアピールするポップアップスタンドが置かれている。
外資系のホテルの幾つかで似たような運動をしており、それはそれでよいことだが、タオルを繰り返し使って欲しいというのは、環境保護というより、むしろホテルの経費削減に協力させられているような感じが否めず、かえって偽善的に思える。実際、ゴミを減らす運動をしているはずのこのホテルでも、入浴剤を意味も無い大きなパッケージに包んであるし、プラスチックの使い捨てフィルター付コーヒーセットなどを置いている。
また、自慢のサービスエキスプレスは、ボタン一つであらゆるサービスを依頼できるのが売りだが、何を頼んでも反応が鈍く、信用に値しない。例えば、シューシャイン用のクロスを届けてもらうのに25分、バゲージダウンには30分を要した。
ラウンジ「コンパスローズ」でのデザートブッフェ
最近ではN.Y.のThe Plazaの評判が低下して、サンフランシスコのセントスランシスをウェスティンの筆頭格に考える人も多いようだが、そのセントフランシスにも同名のラウンジがあったように思う。とは言え、雰囲気もサービスもずいぶんと違うが。入り口のメニューにはケーキにサンドイッチ、アイスクリームなどと書かれていたが、実際にはアイスクリームはなかった。この手のブッフェはどこでもそうだが、はっきり言っておいしくない。その割に高いのは、席が回転しないからだろう。
和食レストラン「鴨川」での朝食
和食レストランにもかかわらず、お米がおいしくない。また、メニューにフレッシュオレンジジュースと書かれていたのにこの日はチルドジュースが出された。サービスは明るく爽やかで、朝の雰囲気にぴったりだった。しかし、朝からその雰囲気をぶち壊すように周囲にタバコを吸っているお客さんがたくさんいて、思わずせき込んでしまった。ぼくはそれほど嫌煙家ではないが、朝食時くらいはご遠慮願いたいものだ。
Y.K.