1996.06.03
ベストチョイス
新神戸オリエンタルホテル Deluxe Room
楽-2高層階の大阪サイド。このホテルのベストビューだ。中でも、正面側にも窓を持っているデラックスルームは格別の眺めが得られる。このホテルは37階建ての高層であるだけでなく、それなりに海抜の高いところに位置している。それだけ、高層階からは神戸の街を「見下ろす」という感覚が強い。山の斜面に流れるような夜景と、海岸線に沿ったハーバーライトが同時に楽しめ、エキゾチックな魅力にさえ感じられる。
客室は40平米に少し欠けるという印象。淡いブルーとダークブラウンというこのホテルらしい色使いのインテリアにまとまっている。ベッドは「南枕」に据えられ、コーナーの窓に囲まれるように、くつろぎのシッティングスペースを設けた。デスクは壁から独立しているが、壁の方を向いている。なんか、意味のない感じ。室内の照明はおさえられ、まさに夜景鑑賞に打ってつけの仄かさだ。
しかし、このホテルのスイートは実に面白くない。リビングルームの扉を開放しなかったら、スタンダードルームと大差なく感じるほど、特別なことがほとんどないスイートだ。リビングにもちょっと大きなソファなどが設置している程度で、心躍る演出はまったくなかった。コストパフォーマンスの点でも、このタイプがベストチョイスかもしれない。
Y.K.