1996.01.04
マッサージチェア
東京新阪急ホテル築地 Superior Room
哀-3昔ながらの東京下町の風情と、最新の高層住宅とが同居する街並みで一際目を引くセントルークスタワー。聖路加病院の再開発ビルであるセントルークスタワーはオフィス棟とレジデンス&ホテル棟があり、高層部に架かる橋で結ばれていて、レジデンス&ホテル棟の高層部分が東京新阪急ホテル築地になっている。東京駅や銀座からもさほど遠くない距離にあるにもかかわらず、あまりぱっとしない立地に感じてしまうのは、周囲の環境によるものだろうか。
ホテルのエントランスは1階にあり、入るとすぐにフロントデスクがある。しかしここはホテルの車寄せがはっきりしないというか、事実上無いような感じだから、どこに停めて荷物を降ろせばいいのか戸惑った。ホテルエントランス前は歩行者用スペースになっているようなので、エントランスにもっとも近づいた位置に車を寄せた。少々距離はあるが、フロントからは見えているので、誰か出てきてくれないか様子を見ていたが、出てくる様子はなかった。
仕方なく車から降りてベルマンを呼びに行き、荷物の運搬を頼むと、荷物を持った客が珍しいのか、そもそも客が珍しいのか、彼は不思議そうにこちらを見てから荷物を取りに車へと向かった。客室数は少なく、外観のイメージよりも小ぢんまりとしたホテルだ。
客室には電動マッサージ機能付きチェアが設置されている。温泉旅館の大浴場などではよく見かけるが、客室にあるというのは珍しい。広さは30平米強で、デザインや配置はオーソドックスなもの。440chの有線放送があって、バスルームでもきくことができる。バスルームにシャワーブースはないが、バスタブはやや大き目で、照明が明るく、アメニティは洒落たポーチにまとめられている。
一応角部屋なので2面に窓があり、それぞれ違った景観が望める。冬場で外の寒さも手伝ってか、ホテルでこれほどの結露を見たのは初めてというほどに、窓の結露が著しかった。景色を見ようと拭けばそばから曇っていくほどで、一晩で1リットル以上あったかもしれない。ホテルの客室は一般的にとても乾燥していて、喉によくないので、見方によっては好ましい状態だったのかもしれない。
ホテルと契約している隣接のスポーツクラブを利用してみた。セントルークスタワーにはふたつのスポーツクラブがあり、いずれも東急系だが、それぞれグレードが違う。ホテルゲストとしてビジター利用ができるのはより一般的な方で、高級施設の方は使えない。
館内はエグザスやティップネスに近い雰囲気で、正月早々多くの人で賑わっていた。必要な施設はすべて揃っているものの、ホテル付帯のスポーツ施設に対するイメージからすると、ゆとりやグレード感に欠ける印象だ。これが1,500円程の利用料なら納得だが、3,000円となるともう少し期待してしまうものだ。
高層階レストランフロアにあるラウンジは、このホテル内でもっともゆとりあるスペースだ。すりガラス状の天井から自然光がふりそそぎ明るい雰囲気のアトリウムで、席の配置もゆったりとしている。しかし、注文した紅茶は温度が低かった上に濃く出過ぎていて渋かった。
朝食はレストラン「明石」でとった。このレストランは洋食も和食も出すという風変わりのコンセプトを持った店なので、インテリアも和洋どちらとも付かない中途半端な雰囲気で、どちらかといえば和のイメージが勝っている。朝食時にもテーブルには醤油差しなど和食堂の調味料が並び、アメリカンブレックファストには違和感のある雰囲気だった。夕食は6,000円からとなっていたが、宿泊料金と同様、強気の姿勢に感じられた。
このホテルは知名度が低いので、もう少し積極的にプロモーションをして、まずは知ってもらう努力をしたほうがよいかもしれない。滞在してみて値段の割にあまりパッとしなかったので「哀」。
Y.K.