1005.03.27
Whose Birthday?
「ビクターズ」ウェスティンホテル東京
楽-3

目と鼻の先にタイユバン・ロブションを控え、フレンチレストランで対抗するのを憚ったのか、ウェスティンホテル東京のファインダイニング「ビクターズ」は従来のホテル内メインダイニングと比較すると、料理やサービスの質で勝負するのではなく、スカイラウンジのように雰囲気で勝負をしている感がある。

ロビー同様デコラティブな内装で、雰囲気の違った幾つかのセクションに分かれており、何度か訪れても飽きない。特に夜は照明の効果が高く、店内が一層華やかに見える。料理は内装にマッチした派手な皿に盛られ提供されるが、内容はややヘルシーさを前面に押し出しながらもオーソドックスな料理で、いかにもアメリカのホテルだという印象を受けた。価格は比較的リーズナブルで、特にワインはお隣りタイユバンとは比較にならないくらい割安感がある。

今回は12名での会食のため個室を利用した。少々料金が掛かるが十分にその価値のある空間だった。窓がないので眺望は得られないが、その分ゴージャスな内装になっている。セットアップされたテーブルにも華やかなイメージがあり、ライトを浴びたグラスがとても美しくに輝いていた。いい意味でも悪い意味でも、さほど印象に残るような料理はなかったが、こうであれば合格点を付けられる。

サービスに関しては快適で、個室の担当になっっていた係りはにこやかでスマートなサービスを提供してくれた。しかし、残念ながらいつでもその快適なサービスが得られるとは限らず、何度か訪れているうちの1〜2回の話しなので、出来不出来があることは確かだ。

実はこの日、ぼくの誕生パーティーのひとつだったわけだが、出席者はぼくにもてなされることに慣れすぎてしまっているため、ぼくを喜ばせることに関してはまったく不器用だった。途切れがちな会話を盛り上げ、全員が話題に参加し、楽しく発言できるようにする配慮に精一杯で、料理をじっくりと味わう余裕がなかったというのも正直な感想だ。実際、喜ばされるより喜ばせる方が性に合っているし、気が楽だ。しかし、こうしてぼくのために集まってくれることはとてもうれしく受け止めている。集まったみなさんが楽しそうに過ごしていたので、それで満足だと思うことにしよう。

Y.K.