1994.09.24
デザインの変貌を予感させるホテル
ホテルパシフィック千葉 Standard Room
楽-1

千葉駅から少し離れた場所にできたポートスクエアのコア施設としてオープンしたホテルがパシフィック千葉だが、なぜ京急が手がけるパシフィックが千葉に目をつけたのか、疑問が残るところだ。設備は周辺随一を誇り、どこにあっても恥ずかしくないクオリティを実現した。

立派なロビーは大理石と木肌を多用した変化に富んだ造りで、2層の吹き抜けからまばゆいばかりのシャンデリアが下がっている。中央に花台を据え、周囲にはソファをゆったりと配した。フロントカウンターはそのロビーを見渡す位置にある。

今回はスタンダードルームに1泊した。30平米に満たないオーソドックスな客室だが、深いカラースキムで落ちついた上質な空間に仕上がっている。窓辺にはアームチェアとカウチソファを配し、それらに挟まれたテーブルはしっかりとした造りをしている。

都市型ホテルらしく、料飲施設も充実している。コーヒーショップ、本格的な各国なレストランに加え、スカイラウンジとバーを持つ。バー「カラハリ」のインテリアは興味深く、コロニアルスタイルをテーマに個性的な家具や調度品を揃えており、エキゾチックなムードが漂う。これまでのホテル定番のデザインから、個性を競うインテリアへ。ホテルの標準スタイルは変貌を遂げようとしているが、その予兆を感じさせてくれる場所がたくさんあるホテルだ。

Y.K.