1993.09.27
天空のエレガンス
横浜ロイヤルパークホテルニッコー Executive Deluxe Room
楽-3目下、日本で最も高層となる70階建ての横浜ランドマークタワー。その高層階にかつてない景観をたずさえたホテルがオープンした。69階の展望フロアは連日混雑を呈し、併設するランドマークプラザとわせて横浜の新名所となっている。ビル全体が観光地化しているため、駐車場には長い列ができているが、正面玄関に車をつければ、駐車スペースを確保してくれるはずだ。
このホテルの魅力は眺望だけではない。その煌びやかなロビーのインテリア、箱崎で培った上質なレストランの数々、地上49階の屋内プールなど、ダイナミックな設備が充実している。
初めての滞在は、エグゼクティブフロアのデラックスルームを選んだ。三角形のユニークな間取りと、窓のあるバスルームに魅力を感じたからだ。チェックインは65階のエグゼクティブフロア専用のレセプションデスクで行う。箱崎にもいたスタッフがにこやかに迎えてくれた。しかし、他のスタッフはやや硬いサービスで親しみを感じさせてはくれなかった。
ラウンジは広く、2層吹き抜け。他ホテルのエグゼクティブラウンジ同様、ドリンクや朝食のサービスがあるが、内容はいまひとつだった。パーソナルなサービスについてもあまり期待はできない。
客室は思っていたよりも狭く感じた。大きな柱が邪魔なこと、そして、無理なレイアウトで居室以外のスペースが多いことが理由だ。家具などのセンスは悪くない。眺めの見事さに負けない、上質でエレガントなインテリアに仕上がった。
バスルームもいたずらに広いという印象。もう少し色香があってもいいのではないかと思うほどすっきりとした内装だ。バスタブ脇に設けられた丸窓も、すぐに湯気でくもってしまうし、高いところに小さくあるだけなので、眺望を楽しむというより、単なる明り取りくらいに考えた方がよさそうだ。アメニティは標準的だが、フェイスタオルをリボンでくるんで置いてある。
68階のフレンチレストラン。窓の眺めよりも、店内のデコラティブな内装を楽しみたい店だ。エレベータホールからのアプローチも美しい。窓際、中央、壁際のベンチシートと、それぞれに魅力ある座席配置をし、奥には個室も備える。ベンチシートは外国人が特に好み、食事をしながらいちゃいちゃと過ごすそうだ。
この日はコースでなく、アラカルトで注文した。箱崎の素晴らしい料理をイメージしていたので、気合を入れてオーダーしたが、少々ガッカリ。それはこの店の料理が悪いからではない。まあそれなりに納得のゆく皿だった。箱崎と比べるのがまずかったというわけだ。
ソムリエは面白い人だった。特殊な栓をしたスパークリングワインの開け方が判らないらしく、テーブル脇で悪戦苦闘。しまいには「開けてもらえますか?」と振られてしまった。「え?」と、きょとんとしていると、「ご同業の方ですよねぇ?」と来た。若造が慣れた風に注文するのを見て、彼は同業者に違いないと感じたのだろう。同業ではないが、栓の抜き方は教えてあげた。
Y.K.