1993.06.09
夢で終わりそうな・・・
「夢庵」瀬田
哀-4

すかいらーくグループのドル箱的存在で、全国でもトップクラスの売り上げを誇っていた瀬田の「イエスタディ」を閉店し、日本料理レストラン「夢庵」をオープンさせたのは、すかいらーくトップの強い押しがあってのことだったそうだ。なだ万あたりから腕のいい板さんを引き抜き、華々しくオープンした「夢庵」だが、所詮ファミレス企業のすることだから、サービスがまったくなっておらず、また、肝心の白飯が美味しく炊けていないために、まったく満足感が得られなかった。

素材は思いのほか新鮮で、特に刺し身の鮮度は、価格を考えればびっくりするくらい素晴らしい。ところが、それを帳消しにして余りあるほどサービスがひどすぎる。うまいものを安く提供して勝負するなら、もっと定食屋風の威勢のいいサービスもいいだろう。懐石料理を出す店のように気取っていながら、料理提供の順序やタイミングは無視しているし、ただ慌ただしいだけのサービスで、マニュアルばかりに気を取られた、人間味のないテイストはどうしても受け入れられなかった。

この店が世の中にどう受け入れられるかは、数年後のお楽しみだが、この状態に危機感はなさそうだったので、長くは続かないと思う。

1999年のコメント:当初は高級路線でスタートを切った「夢庵」ですが、みなさんご存知の通り、現在は和食版「ガスト」としてチェーン展開を見せる、中途半端な店になってしまいました。現在の「夢庵」も品質とサービスを考えれば、まだまだ高い気がしますが、みなさんはいかがですか? 当時、瀬田以外にも、新百合ヶ丘駅前のオフィスビル内に懐石料理の店としてオープンしていましたが、こちらは安売り「夢庵」になっています。瀬田の店はなくなり、住宅展示場に戻りました。

Y.K.