1992.11.22
東洋一のホテル?
ホテルイースト21東京 Deluxe Room
楽-2

9月12日、東陽町に新しいホテルがオープンした。オープン前の広告からは、ビジネスホテルなのか、シティーホテルなのかよくわからない、中途半端なイメージが伝わってきた。ホテルのすぐ前にあるレストラン「イエスタディ」で、従業員との会話の中、新しいホテルの話題になり、彼は「今度目の前に、東洋一のホテルができるんですよ。」と言う。どの部分が東洋一なのか尋ねると、それは規模だと答え、ホテルの関係者が毎日のように食事に来てくれて、そう自慢していると付け加えていた。ぼくは思わず「それって、東陽町で一番って意味で、東陽一なんじゃないの?」と言ってしまったが、外れではなかったかもしれない。

何しろ、言葉は悪いが得体の知れないホテルだったので、まずは泊まってみることにした。料金はとても細かく細分されていて、どの程度違うのかよくわからない。ツインルームは25,000円からほとんど1,000円刻みに33,000円まである。とりあえず33,000円のタイプを予約してみた。

車で到着すると、駐車場が混み合っていて並ぶことになった。隣接のショッピング施設と共同の駐車場になっているらしい。高級ホテルだったら、ドアマンに頼んで車を預けてしまうところだが、ここは初めてでクラスがわからないので、まずは大人しくしていることにする。ロビーに入ると、ビーダーマイヤー様式の重厚なインテリアが目に飛び込んでくる。色調は濃厚だが、ロビーラウンジを中心にスペースを広く取っているので圧迫感はない。思ったより高級な雰囲気で、聞けば、ベントセベリンのデザインだという。随分と気張ったものだ。

案内されたデラックスルームは、客室としては最上階に位置し、窓に対して横長で、38平米の広さがある。室内には多くの額が掛けられているのも特徴だ。ソファとローテーブルと2つのサイドテーブルの他、ライティングデスク、ドレッサー、テレビ台などがひしめくように配置され、いささかゴチャゴチャした印象がある。

バスルームはビジネスホテル並みの設備だが、スペースだけは十分取ってあり、アウトベイシンなのが使いやすい。アメニティはボディスポンジやポーチなど、割と充実している。TVは珍しく真っ白で、機能的にも、CATVチャンネルやTVチェックアウトのほか、ルームサービスのオーダーまでできるらしい。

4階にヘルスクラブ「THE EAST」があるので、利用してみた。施設は立派で広々としており快適だが、対応はあまりよくなかった。このシーズンは利用できないが、夏には2,000平米もあるガーデンプールがオープンする。一度は利用してみたい。

泊まってみたが、やはりこのホテルの位置付けは難しい。シティホテルとして考えれば物足りない部分があるし、ビジネスホテルクラスとしては豪華すぎる。幅広いゲストからの支持を得ようという戦略かもしれないが、結局出張ビジネスマンやツーリストの需要に頼ることになるような気がする。そうなった時に、このホテルは建物にお金を掛け過ぎたことを後悔するかもしれない。とりあえず、東陽一のホテルであることは認めよう。

Y.K.