1992.05.12
味の冒険
「ラバンチュール」ロイヤルパークホテル
楽-3

この日はアポイントが重なり、昼食をとれなかった。そのくせ、次々とかわる打ち合わせ相手とその都度コーヒーなどを飲んでしまうから、胃に負担がかかっていいるような気がする。その分、夕食は楽しくたくさん食べたいと思い、銀座から車を飛ばしていつもの店にやってきた。

ディナーコース派5,000円と7,000円の2種類が用意されているが、今回はそれではもの足りず、アラカルトをコース仕立てにして注文した。オードブルには帆立貝のゼリー寄せ。赤ピーマンのムースを皿にのばし、その上にゼリー寄せが置かれ、トップにキャビアをあしらってある。ゼリー寄せの周囲にはオイルで和えたハーブが飾ってあり、フランス料理のような一品。スープはトムヤンクン。かなり辛く、喉に直接来る刺激がたまらない。具の海老は大きくてプリプリ。メインは手長海老のグリル。ビネガーオイルで和えたメロンとパイナップルを皿の中央に盛り、周囲に手長海老が3尾。見た目にも熱帯地方の料理という感じで、海老はきれいにむいてあり食べやすかった。デザートにはメロンのスープを注文した。カットしたメロンを、その果汁と蜂蜜のシラップに浸したものだが、個人的にはもっと高価にしてもいいから、マスクメロンを使って欲しかった。

このほか、ワインBergerac7,000円と食前酒、コーヒーを含めても、二人で2万円とちょっと。コストパフォーマンスはとてもいい。器はシンプルなリチャードジノリ、カトラリーはクリストフルと高級感もある。グラスはスペイン製で、コーラ瓶のような色の素材で気泡の入ったごついデザイン。テーマレストランとして、インテリアのみならず、小物の演出もよくできてる店だ。

1999年のコメント:ぼくは結構気に入っていたジノリの器ですが、最近は同じデザインなのに、裏を見るとノリタケだったり、ニッコーだったりしています。やはり、地の色が全然違うし、厚さも違うのでちょっと残念です。店の雰囲気とジノリの持つ風合いがとてもマッチしていました。しかし、今でもたまにノリタケに紛れて生き残っているジノリくんに出会えることもあります。店の雰囲気と器との調和は大切ですね。

Y.K.